Twin Reverb
- 音の傾向 両モデル共通で、85Wの余裕あるヘッドルームから生まれる澄んだ”鈴鳴り”クリーン。歪みは本体で作り込めず、クリーンを土台に据えた設計。’65は王道の澄んだクリーン、’68 Customはロック寄りの押し出しと早めのブレイクアップ。
- こんな人におすすめ 大箱のステージ/スタジオで、太いクリーンを土台にペダルを鳴らす人。一生モノのFenderクリーンを一台持っておきたい人。王道クリーン重視なら’65、多用途性なら’68 Custom。
- 操作感 チューブ駆動スプリングリバーブ/トレモロを搭載。専用の歪みチャンネルはなく、歪みは外部ペダル前提。約29kgと重く、運搬が最大の難点(モデル差はSEC4)。
1. 三大特徴とサウンド傾向
▼世界基準の”鈴鳴り”クリーンと85Wヘッドルーム
心臓部は6L6パワー管4本によるAB763系回路。85Wという余裕のヘッドルームから生まれる澄んだクリーンは、ロック・ブルース・カントリー・ジャズとジャンルを問わず無数の名盤を支えてきた。「クリーンなエレキギターの音」の基準点そのものと言える一台。
最強クラスのペダルプラットフォーム
色付けの少ない透明なクリーンは、ペダルボードのキャンバスとして極めて相性が良い。歪み・空間系を前段に並べても土台がブレず素直に鳴らす。専用の歪みチャンネルを持たず、外部ペダルで音を作る設計思想。
’65と’68 Customで性格を選べる
現行のチューブ機は2モデル。’65はJensen C-12Kで澄んだ王道クリーンに振り切り、’68 CustomはCelestion G12V-70とCustomチャンネルの’59 Bassmanトーンスタックでロック寄りの押し出しと早めのブレイクアップを狙う。両機ともチューブ駆動のスプリングリバーブ/トレモロを搭載。
2. 世界のレビュー
▼3. 競合比較
▼| 機種 | 出力 | 回路 | スピーカー | 歪みCh | FXループ | 重量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Fender Twin Reverb (代表機) | 85W | Tube 6L6×4 | 2×12″ | — | — | 約29kg |
| Fender ’65 Deluxe Reverb | 22W | Tube 6V6×2 | 1×12″ | — | — | 約19kg |
| Vox AC30C2 | 30W | Tube EL84×4 | 2×12″ | △ Top Boost | — | 約32kg |
| Roland JC-120 | 120W (60W×2) | Solid State | 2×12″ | ○ 内蔵 | ○ | 約28kg |
4. シリーズ比較(’65 vs ’68 Custom)
▼| 機種 | 世代/外装 | スピーカー | チャンネル | リバーブ・トレモロ | 音の傾向 |
|---|---|---|---|---|---|
| ’65 Twin Reverb | ブラックフェイス 黒Tolex+シルバー | Jensen C-12K ×2 | Normal/Vibrato | Vibrato chのみ | 澄んだ鈴鳴りクリーン・王道 |
| ’68 Custom Twin Reverb | シルバーフェイス ドリップエッジ | Celestion G12V-70 ×2 | Vintage/Custom | 両ch対応 | ロック寄りの押し出し・早めのブレイクアップ |
※共通=85W/2×12″/4×6L6。’68 CustomのCustom chは’59 Bassmanトーンスタックを採用、NFB(ネガティブフィードバック)低減でタッチ感度を上げ、ハンドワイヤードのチューブソケット+Schumacherトランスを搭載。重量・出力はほぼ同じで、最後はスピーカー(Jensen vs Celestion)とルックスの好みで選んで問題ない。
5. 価格と相場
▼Gear Wise Diagnosis
中古相場:長期にわたり大量に流通してきた’65は、中古個体が安定して市場に出ている。重量ゆえに「運べず手放す」ケースが多く、状態の良い個体が中古に回りやすいのも特徴。’68 Customは比較的新しく、中古の流通量は’65より少なめ。購入時は、リバーブ・トレモロの効き、ノイズの有無、真空管とスピーカーの状態を確認したい。
長期トレンド:’65・’68 Customとも現行モデルとして流通は継続。一方で本体の実売は上昇基調にあり、交換用真空管の価格もじわじわ上がっている。本体だけでなく維持コストの面でも、かつてのように気軽に付き合える機材ではなくなりつつあるのが実情だ。
為替の影響:米国製・USD建ての製品のため、国内価格は為替の動きを強く受ける。円安局面では国内価格が上振れしやすく、円高に振れれば輸入価格が落ち着く。
6. Echo Notes
— さらに知る- 「Vibratoチャンネル」が生むのは音量が揺れる”トレモロ”で、ピッチが揺れる”ビブラート”ではない。Leo Fenderが用語を取り違えたまま製品化し、その誤称が半世紀以上そのまま残っている。
- 1965年1月、Leo FenderはFenderをCBSに売却した。’65 Twin Reverbが復刻する「1965年のサウンド」は、Leo自身が手がけた最後期のBlack Panel——つまりCBS買収直前の音でもある。
- ’68 Customはハンドワイヤードのチューブソケットと、オリジナル同様のSchumacher製トランスを搭載。Customチャンネルの’59 Bassmanトーンスタックとネガティブフィードバック低減により、通常のTwinより早めにブレイクアップする。
